大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

名古屋高等裁判所 昭和31年(う)372号・昭31年(う)373号・昭31年(う)374号 判決

原判決は被告人等は……三田村武夫の選挙運動者であるところ、同候補三田村武夫に対し当選を得しめる目的をもつて……戸別訪問をしたものである旨判示し、之に対し公職選挙法第百三十八条第一項第二百三十九条第三号を適用したことは所論の通りである。そして同法第百三十八条第一項第百三十八条の二は各何人も選挙に関し「投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて」と規定し、同法第二百二十一条第三号は「投票し若しくはしないこと」と規定しているのに反し、同法第二百二十一条第一号第二号は各「当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて」と規定し、法は明らかに「投票」と「当選」とを区別しており、かつ「当選を得又は得しめる目的」とは「投票を得又は得しめる目的」の場合のみならず、当選を得又は得しめる目的の為に為される選挙運動の一切を包含するものであると解するを相当とするから、原判決が公職選挙法第百三十八条第一項の戸別訪問につき「投票を得しめる目的」とせず、「当選を得しめる目的」をもつてと判示したことは結局原判決は法律の解釈適用を誤り、その誤は判決に影響を及ぼすことが明白であるから、その余の論旨に対する判断をする迄もなく、原判決は破棄を免れず(右の判示を単なる誤記とは認められない)、論旨は理由がある。

(裁判長判事 高城運七 判事 柳沢節夫 判事 中浜辰男)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!